Alice: Otherlandsのストーリー把握がようやく出来たので感想を。
概要も合わせて書いておきます。
ただし訳は意訳、間違いもあるかと思いますのであしからず。
あと情報は少ないので足らない部分は自分なりの想像を入れています。
まずはCGアニメーションの"Leviathan"から。
"Leviathan"を見るにあたり、知っておいた方がよい知識としては以下のジュール・ヴェルヌ作品。
ざっと知っておくだけで良いです。Wikipediaの内容で十分。
また一番最後の部分は「二十世紀のパリ」という作品が関係しているかもしれません。
内容はまったくあってないのですが、少なくともその場面で提示された年は一致します。
また動画の冒頭に出てくる、
If providence has created the stars and the planets, man has called the cannonball into existence.
という文章はヴェルヌの「月世界旅行」の中の一節。
「天が『ほし(星)』を作ったので、人は『たま(弾)』を作りました」とかそんな感じでしょうか。
各種出版社から「月世界旅行」の日本語訳が出ているので、そちらを確認するのが一番よろしいかと。
上記文章が消えると星空を見えているジュール・ヴェルヌが登場します。月にいるようです。
アリスが声をかけます。
アリス:
恐縮ですが、あなたは間違った方向へと向かっていると思います、ベルヌさん
ジュール・ヴェルヌ:
ん? ここへいったいどうやって来たのかねお嬢さん。道に迷いましたかな?
アリスは、ヴェルヌが人々に示した内容は十分ではないとして月から地球に戻ることを提案します。
ヴェルヌがその真意を探ろうとするも、アリスは「まずは始めましょう」と強引にヴェルヌを誘う。
アリスのぶしつけな態度に少々腹を立てるも、最終的には彼女の提案を受けます。
2人はロケットに乗り込み、地球へ。大気圏に突入したロケットは摩擦熱で炎に包まれる。
ジュール・ヴェルヌ:
あなたはもう炎を恐れないようだ
アリス:
ええ。 それほど長続きするような「もの」ではなかったので
大気圏内に突入したロケットはチェシャ猫の形をした熱気球に変化。
アリスはヴェルヌに「何を恐れていますか?」と訪ねます。
ヴェルヌは「恐れているのではなく、単に空を見上げているだけだ」と答えます。
ならば、と思ったのかどうかは分かりませんが、アリスは熱気球のロープを切断。
熱気球は急降下していくものの、ここはヴェルヌの精神世界。
海に落ちた熱気球は潜水艦へと変化。
アリス:
私は、すべての科学者が崇高な目的を持って研究を行なっているというわけではない、ということを知りました
ジュール・ヴェルヌ:
それはわかりきったことではないかね?
イカかタコ、頭足類っぽい触手が潜水艦のまわりをを取り囲みます。
触手の一つがバンビーの顔に変化しました。彼女はヴォーパルナイフの柄を握ると、バンビーの顔は消え去り、元の触手に戻りました。
アリスは取り囲んでいる触手はリバイアサンである、といいます。
原作の「海底2万里」でも巨大頭足類と戦うシーンがあったかと。
バンビーはアリスにとっての「恐れ」。ヴェルヌの「恐れ」ではありません。
ヴェルヌはアリスと舵を代わり、触手を避けるように洞窟へと向かいます。
洞窟でアリスとヴェルヌは地底人の戦いの絵を見ながら、人間の負の側面や目的について話し合います。
おそらく、科学の発展によって得られる功罪のことを差しているのでしょう。
アリスはヴェルヌをWar Tower(要塞?)へとつれていきます。
ジュール・ヴェルヌ:
ここは・・・地獄か?
アリス:
あなたは、この光景がある日現実となることを恐れているのです
ヴェルヌはアリスが何を問いたかったのを理解しました。
そんなヴェルヌを見て、アリスは「人類が持つもうひとつの未来」へと案内する、と言います。
すると突然「1960」と書かれた回転ドアが現れ、その先には近未来的なパリの姿が見えます。
ヴェルヌはアリスの質問とその目的を理解し、(現実の世界へ)戻ると言いました。
アリスは既に姿を消しています。
ヴェルヌも回転ドアの向こうに姿を消しました。
以上。
潜水艦のあたりや洞窟のあたりはわからない部分が多かったので結構省略しています。
さて、感想ですがまずは良かった点。
なんといっても「人の精神に入り込んで助ける」という内容に沿っている、というのが一番ですね。
ヴェルヌが悩んでいることに対してアリスが手助けをする。Otherlandsのコンセプトどおりです。
話は全てヴェルヌの精神世界の内容でしょう。現実世界でアリスがどうヴェルヌとコンタクトしたのかは興味深い点です。
ヴェルヌ自身は悲観主義的な傾向があったらしいので、その辺をアリスは彼の作品を読んだ時に感じ取ったのかもしれません。
その後はアリスの性格からするとヴェルヌの所に押しかけ、勝手に精神世界に入っていった、とかかな?
また、アリスの衣装が場面に合わせて変わるのも良いです。
マッドネスリターンズのプレイを思い出させますし、場面(=ヴェルヌの作品)と合った衣装です。
逆に気になった点は・・・・何度も話題にはなりますがやはりアリスのデザインでしょうか。
以前も述べたとおりなんとなく納得はしているものの、もうちょっとキツめの顔立ちでもよかったんじゃないですかね。
まー、何度も見ているうちにそれも気にならなくなりましたが。
また、ヴェルヌの作品が前提知識になってしまうのは仕方ないですかね。
ヴェルヌの精神世界を探索するのなら必然的にそうなってしまうでしょう。
まとめると・・・・んー、やっぱりファン向けですかね。積極的には推奨できないです。
興味深い内容ではあるのですが足らない部分もてんこもりなのでそこは各々が補完。
その「補完」を楽しむって感じで。