「ファミコンとその時代」を読んだ

ファミコンとその時代

2013年7月15日でファミコン誕生30周年!

ということでファミコンに関する書籍がいくつか出ています。
その中で「ファミコンとその時代」を読んでみました。

感想としては、「ファミコン史を『開発・商業展開・社会的影響』から説明した貴重な資料」。



内容はほぼ文字だけで、ファミコンソフトの画面とかは無し。
見た目はビジネス書の様相を呈しています。



が・・・中身はとにかく濃い!
コーヒーで例えるならエスプレッソ!
・・・よくよく見たら帯と書籍の色がファミコンカラーだし!



ひと通りエキサイトしたところで(?)さて中身。
目次を見ますと大きく第1部と第2部、そして付録という構成。

第1部が初期ビデオゲーム史を含むファミコン開発史。
ビデオゲームの誕生からアタリショック、そのころの国内ビデオゲーム市場、それらを踏まえた上でファミコン開発の話。
第2部がファミコンの商業的展開と社会的影響の話。
流通、サードパーティ、海外展開にファミコンの一般雑誌における取り扱い、攻略本・ファミコン情報誌など。

簡単にいえば第1部は技術の話、第2部が営業・マーケティングの話ともいえるでしょうね。
付録の部分は著者による対談とテレビゲーム年譜、発売タイトル数などの資料。




第2部も興味深い内容でしたが、私にとっては第1部の内容に引き込まれました。
なんてったって「ファミコンが出来るまで」ですからねぇ。



ビデオゲームの登場からアタリショックを経てファミコンの開発へ。
ファミコンの各種仕様決定の話は目からうろこの内容ばかり。

数々の苦労の果てにファミコンが開発されたことが分かります。

ファミコンリリース後の話も興味深い内容。
例えばコントローラーのボタンが四角ボタンから丸ボタンに変わった話。
四角ボタンは操作性が悪く、押しても戻らなかったりするので丸ボタンに変わった、ってのは有名かと思いますが、その辺も詳しく書かれています。
この箇所を読んだあとにコントローラを操作すれば、本に記述された丸ボタンへの変更理由を実感出来るかもしれません。



第2部は前半のビジネス展開も興味深いですが、後半の社会的影響の部分がより面白かったですね。
ファミコンに関する社会現象を取り上げて解説しているのですが、私のような「ファミコン世代」にとってはその一つ一つがどストライクなんですよ。
ドラクエ2やドラクエ3を買い求める行列の話、コロコロコミック&高橋名人&キャラバン、週間少年ジャンプ&ドラクエなど・・・・
当時のことが思い起こされます。
地元のおもちゃ屋は抱き合わせ販売がデフォルトだったっけw。


出だしが少々お堅い内容からスタートするので、読了まで時間かかるかなぁ~と思っていましたが読み始めたらぐいぐい引き込まれました。
読むたびに新たな発見がなんともいえぬ充実感。
ファミコンが遊びの中心だった子供のころを思い出しましたよ。



税込み2730円とちょっとお高めとなっていますが、その分資料的価値は高いのでおすすめの一冊です。
著者の一人がファミコンの開発責任者、ってのも大きいですね。



ファミコン史、という観点では昔角川スニーカー・G文庫で出ていたファミコン10年!という文庫本を紹介しておきます。
1994年発売の本で、ファミコン文化を中心に発売からの10年を振り返る内容。

前年1993年がファミコン10周年だったので、その記念で発売されたのでしょう。
こっちは「ファミコンとその時代」に比べると大分やわらかめの内容ですので読みやすいはず。
絶版ですが入手はそれほど難しく無いと思います。


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